アイドルを目指している人の中には、「自分で曲を作ってみたい」「でも、どうやって作ったらいいのかわからない・・・・・・」と思っている人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、アイドルの曲に見られる特徴や、アイドルの曲を作る際の手順についてご紹介していきます。
ファンに楽しんでもらえるようなアイドルソングを作ってみたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アイドルの曲の特徴とは?
ファンに支持されるアイドルソングを作るためには、まず既存のアイドルの曲に見られる主な傾向を掴んでおくことが大切です。代表的な特徴としては、下記の3つが挙げられます。
- ①盛り上がる
- ②楽しい
- ③耳に残る
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
①盛り上がる
アイドルの曲は、場が一気に盛り上がるようなものが多いのが特徴です。聞いているだけで心が高揚してくるアップテンポな曲や、キャッチーな曲、ダンスパフォーマンスを楽しめるような曲などは、アイドルのライブに欠かせません。
たとえば、ももいろクローバーZの『行くぜっ!怪盗少女』や、FES☆TIVEの『OIDEMASE!! ~極楽~』、BiSHの『BiSH-星が瞬く夜に-』などが挙げられます。このような、ライブで大盛り上がりする曲は別名「沸き曲」と呼ばれることも。
アイドルファンの中でも「特にライブが好き」という人の多くは、とにかく盛り上がれる沸き曲を楽しみにしています。だからこそ、アイドルの曲を作る時は、盛り上がりを意識することも大切です。
②楽しい
アイドルソングは曲調が明るく、歌詞が前向きで、聞いていて元気が出て来るような楽しい曲が多いのも特徴です。特に、ついマネして踊りたくなるようなキャッチーな振付がある曲は、ライブ会場でアイドルとファンが一体となって楽しむことができるので人気があります。
例としては一大ブームを巻き起こしたAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』や、ジャニーズWESTの『ええじゃないか』、E-girlsの『Follow Me』などが挙げられるでしょう。
自然と笑みがこぼれるような楽しい曲は、元気なイメージをウリにしているアイドルにピッタリ。「嫌なことを忘れたい」「前向きになりたい」と思っているファンの心にも響きます。
③耳に残る
アイドルの曲は耳に残りやすいという特徴もあります。個性的な曲調や、一風変わった歌詞などに中毒性があり、脳内で何度も再生されてしまうという曲が多いのです。
たとえば、日向坂46の『キュン』や、でんぱ組.incの『でんでんぱっしょん』、NEWSの『チャンカパーナ』などは、どれもサビが特徴的。「1度聴いたら頭から離れなくなり、気づいたら口ずさんでいた」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
聞けば聞くほど耳に残る「するめ曲」は、アイドルファンの心をグッと掴んで離しません。だからこそ、アイドルの曲を自作する場合は、耳に残るような曲調や歌詞を意識することも重要だと言えるでしょう。
アイドルの曲の作り方
アイドルの曲に見られる特徴を把握できたところで、ここからは実際に曲を作る時の流れについてご紹介していきます。手順は次の6ステップです。
- ①コンセプトを決める
- ②作曲
- ③作詞
- ④編曲
- ⑤録音
- ⑥ミックス
では、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。なお、アイドルの曲を作るやり方に正解や不正解はないため、あくまでも「こんなやり方がある」という一例として参考にしてみてください。
①コンセプトを決める
アイドルの曲を作ろうと思ったら、まずはコンセプトを決めるところから始めます。なぜかというと、最初にコンセプトを決めておけば方向性が定まり、曲が作りやすくなるからです。
「清涼感のある夏の恋愛ソング」や「疾走感のある応援ソング」など、核となるイメージを決めてから、それに合わせて曲を作っていきましょう。
また、曲のコンセプトがアイドルのイメージとかけ離れていると違和感が生まれてしまうので要注意。
自作する曲のコンセプトを決める際には、これまでの楽曲やライブ映像をよく研究して、「自分の良さを際立たせるにはどんな曲にするべきか」と考えることが大切です。
②作曲
コンセプトが決まったら、次は作曲に入ります。イメージに合わせてメロディーと伴奏を考えていきましょう。
メロディーが浮かんだら、ひとまずボイスメモなどに録音しておくのがおすすめです。そしてピアノやキーボードなどでメロディーを探り、音楽ソフトに入力していきます。
まずはあまり深く考えすぎず、ワンコーラス分のメロディーを作りましょう。「作ってみたもののピンとこない」というメロディーは潔く捨てて、新しいアイデアを次々に出していきます。
また、聴き手が感情移入したり盛り上がったりできる曲を作るためには、曲の「構成」がとても大切です。
構成には、イントロ(前奏)、Aメロ(最初のメロディー)、Bメロ(Aメロから少し変化するメロディー)、Cメロ(サビ)、間奏(歌がなく伴奏だけの部分)、などがあり、その組み合わせによって曲の印象が変わっていきます。
現代のポップスでよく使われる末広がり型の「イントロ→Aメロ→Bメロ→Cメロ(サビ)」という構成は、アイドルソングの王道パターンと言われることも。
1コーラス目で「Aメロ→Bメロ→Cメロ」、2コーラス目で「Aメロ→Bメロ→Cメロ」という流れを繰り返した後で、3コーラス目では転調させるなど、終盤に向かって変化を取り入れるケースも多いです。
思うように作曲が進まない時には、ヒットソングの構成などを参考にしてイメージを膨らませてみるのも良いでしょう。
③作詞
曲のメロディーがフルコーラス分できあがったら、コンセプトに合わせて歌詞を考えていきます。「こんな言葉を入れたい」とピンときたワードは、素材としてどんどんリストアップしていきましょう。
そして譜面を見ながら歌詞の文字数を確認。キーとなる部分にとりあえず言葉を当てはめてみて、それに合わせて全体的に調整していきます。
歌詞にストーリー性を持たせたい場合は、「Aメロ=起」「Bメロ=承」「Dメロ=転」「Cメロ(サビ)=結」というように、起承転結を意識して書くと良いでしょう。
曲の最初から順番に歌詞を書き始めるケースや、サビ部分から書き始めて後から他の部分を合わせていくケースなど、やり方はさまざまです。自分に合った作詞方法を模索してみてください。
④編曲
曲のデモが出来上がったら、それを元に編曲していきます。
編曲とは、曲をアレンジして肉付けすること。メロディーとシンプルな伴奏で構成されていた曲に、ギターやベース、ドラム、ピアノ、タンバリンなど、さまざまな楽器を加えていきましょう。
編曲を進めていく上で大切なのは、最終的にメロディーをどんな雰囲気に仕上げていきたいかということです。
編曲しているうちに当初のイメージと離れてしまわないよう、ここで改めてコンセプトを確認し、ゴールを明確にしてから作業を始めると良いでしょう。
⑤録音
編曲ができたら、ボーカルやコーラスなどを録音していきます。
歌声を録音するためには、基本的にパソコン、マイク、オーディオインターフェース、録音ソフトなどが必要です。ネットなどでも簡単に手に入るため、持っていない人は用意しておきましょう。
録音する場所は自宅でOK。もし「壁が薄くて音漏れが気になる」という場合は、家庭用の小さい防音室を用意する、あるいはリハーサルスタジオをレンタルするのも1つの手です。
⑥ミックス
作曲、作詞、編曲、録音までひと通り完了したら、ミックスの作業に入ります。
ミックスとは、音楽ソフトを使って複数のトラックを合わせ、1つのファイルとして書き出す作業のことです。ただ単に合わせれば良いというものではないため、楽曲としてバランスよく仕上げることが求められます。
ミックスの際に行うことは主に、音量調整、音色調整、定位調整(ステレオの左右バランス調整)、編集(ノイズ除去やピッチ合わせなど)です。音量の変化は大きすぎず、周波数バランスはフラットにすると聞きやすい曲に仕上がります。
イメージしていた雰囲気に近づけながら、自分が納得のいく楽曲に仕上げていきましょう。
アイドルの曲ができたらダンスの振り付けを考えよう
アイドルの曲が完成したら、ダンスの振り付けも考えていきます。ライブでファンを楽しませるためには、アイドルらしいかっこいいダンスや可愛いダンスが欠かせません。
実際に振付を考える時には、フレーズごとに細かく区切って、歌詞や曲調のイメージに合った動きを取り入れていくとスムーズです。
なかなか振り付けが思いつかない場合は、他のアイドルやダンサーさんなどのダンス動画を色々見て参考にしてみるのもおすすめ。「こういう振り付けを取り入れたい」「こんな雰囲気のダンスにしたい」というイメージを膨らませていきましょう。
また、アイドルグループの場合はフォーメーションも大切です。たとえ簡単なステップでも、移動しながら行うことで全体的に動きが出ます。ぜひ振り付けと並行してフォーメーションも考えてみてください。
アイドルとしてのスキルを伸ばしたいなら養成所もおすすめ
独学で曲を作ったり、振り付けを考えたりするのも楽しいものですが、もっと本気でアイドルとしてのスキルを伸ばしたいなら養成所に通うのもおすすめです。
養成所には歌やダンスのプロが講師として在籍しているケースが多く、独学ではわからなかったこともたくさん学べます。作詞作曲のスキルやダンスのレパートリーなどが増えれば、その分できることの幅も広がり、今まで以上にファンを喜ばせることができるでしょう。
養成所も選択肢に入れておきましょう。
アイドルの曲を作ってファンを楽しませよう
その場を盛り上げて、人々を明るい気持ちにさせてくれるアイドルの曲。「自分で作ってみたいけど、なんだか難しそう・・・」と感じた人もいるのではないでしょうか。
ただ、今はパソコンの音楽ソフトがあれば、楽器の演奏が出来ない人や、音楽理論を知らない人でも作曲することができる時代です。コードの知識やリズム・パターン、音楽ソフトの操作など、覚えることは沢山ありますが、ぜひ怖がらずにチャレンジしてみてください。
あなたにぴったりのオリジナル曲ができれば、きっと今まで以上にファンを楽しませることができるはずです。