「歌のうまい人は、喉が開いている」
こんなことがよく言われています。歌がうまくなるためには、必須ともいえるのが喉を開くこと。
とはいえ、
「喉を開くって、どんな状態?」
「どんな練習したら、喉を開けるようになるの?」
こんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこでこの記事では、
- ・喉を開くメリット
- ・喉を開くための練習法
- ・喉を開きすぎたときの注意点
の順番に、大事なポイントを紹介していきます。
3分ほどで読めて、歌声が劇的に改善される可能性が高いので、どうぞご一読ください。
目次
喉を開くとどんなメリットがあるのか?
喉を開くとは、歌をうまく歌うために必須であり、ボイストレーニングの基礎でもあります。
喉を開くメリットは、主に以下の4通りです。
- 高音が出しやすくなる
- 声の響きが良くなる
- 喉が疲れづらくなる
- 声量がUPする
特に目立つメリットは、喉が疲れづらくなることです。
声は息によって作られます。
喉を開いて息の通り道を広げると、少ない息で大きな響きの声を出せるので、長時間歌ってもあまり喉が疲れなくなります。
にもかかわらず腹式呼吸やビブラートなどの技術と比べると、それほど浸透していません。
特にミックスボイスや高い声を出すときに、喉を開くことを見落とす人が多いため、意識的に喉を開いてみましょう。
喉が開いている状態とは?
喉を開くとは、喉の空間をできるだけ大きく開くことです。単に口を大きく開けることではありません。
喉を開くと、喉の中に広い空間ができます。その広がった空間で音が共鳴し、きれいに響く声を出せるようになります。
たとえばお風呂で歌うと、歌がうまくなったように感じるときがあります。
お風呂という狭い空間と高い湿度が合わさって、音が反響した結果、うまくなったように聞えるのです。
それと同様の効果が得られるのが、喉を開いたとき。声をより響かせることができるので、歌に深みが生まれます。
歌の練習をするときは、喉を開いておきたいところです。
喉が開いている状態で、一番わかりやすいのはあくびをしているとき。喉仏が下がり、舌根が下がったり、喉の奥が広がっていくのが、喉を開くことです。
簡単にできそうですが、実は多くの人ができていません。あくびのように喉を開いてみても、喉仏や舌が喉の空間を邪魔しているため、うまく喉が開けません。
そこで次からは、喉の開き方の練習方法を紹介していきます。
喉の開き方の練習方法
喉の開き方の練習方法はいくつかありますが、そのうち代表的な4つを紹介します。
- あくび
- わりばしを使う
- 舌に柔軟性を出す
- 顎の使い方を意識する
順番に説明していきます。
あくび
あくびをすると、自然と舌根が下がるため喉の奥に空間ができます。これが喉を開いた状態。
舌の使い方によっては、喉が開くのを邪魔している場合があります。そのまま発声すると余計な力が入ったり、声が奥にこもったりと、うまく声が出せません。
それを防ぐため、舌根を下げて喉の奥のスペースを確保します。しかし、とりあえず舌根を下げればよいわけではありません。
喉を開いている状態がいまいちわからないときは、実際にあくびをしてみるとよいでしょう。
ただし、あくびをしながらでは歌えないので、うまく舌根を下げなければいけません。
きちんと喉が開いているか確認したいとき、歌っていて少し疲れを感じたときは、あくびで喉をストレッチするのがおすすめです。
わりばしを使う
わりばしを使った発声練習も、手軽にできておすすめです。
やり方は、以下の4ステップです。
- わりばしを割る
- 1本ずつ左右の奥歯で軽く噛む
- そのまま固定する
- アーと発声する
わりばしを噛むと、上下の奥歯の間に隙間ができるため、自動的に喉の奥が開きます。
コツは、わりばしを軽く噛むこと。特に高い声を出すときは、強く噛みすぎてはいけません。
ポイントは、わりばしがぎりぎり落ちないくらい歯を浮かせること。わりばしを噛もうとすると、喉が潰れてしまいます。
ですので、わりばしを噛まずに、歯で触れるイメージで練習してみましょう。最初はわりばしの短い辺を利用して、あまり無理をしないように練習するのがポイント。
慣れてきたら、前の歯で噛んだときと、奥歯で噛んだときの感覚の差を気にしてみましょう。
前の歯で噛むと、頬の筋肉に力が入るばかりで、舌は上がったままになるのがわかります。
奥歯で噛むときと、手前の歯で噛んだときは頬にかかる力の場所も変わり、舌が下がってくるのがわかるでしょうか?
これを前の歯と奥歯でくり返し、違いがはっきりわかるようになれば、喉の開き方が調整できます。
単に深みのある声を出すだけでなく、歌に合わせた最適な声を自分で出せるようになるんです。
舌に柔軟性を出す
舌は、スムーズな声の出し方に影響します。舌に力が入るだけでも、声が出しづらくなるんです。
喉を開くコツは、舌を平らにすること。ただ舌を下げるだけでは、喉に負担がかかります。
喉を開こうとして舌を奥に引っ込めても、音がこもりやすくなります。大事なのは、舌の盛り上がっている部分を下げるのではなく、舌を平らにする意識。
まずは力を抜いてから、舌を下げてみましょう。
歌うときの正しい舌のポジションは、上顎から離し、脱力した状態で下の歯の裏に触れていること。
そして、リラックスしているときのポジションは、上顎にくっついている状態。
まずは、正しいポジションを意識してみましょう。
舌と喉の空間を広げれば、響きのある声を出しながら、喉が開いていないときより楽に歌えるようになります。
顎の使い方を意識する
喉を開くときに必要なのが、顎を引くこと。
顎を前に出すのではなく、引いて喉を開けるイメージで声を出せば、喉も開きます。
顎が引いているか確認する方法は、耳たぶの周辺にある下顎の付け根に指を当て、あくびをしてみること。
顎が引いているとき | 指が押し込まれるほど隙間を感じる |
顎が引いていないとき | あまり変化を感じられない |
正しい下顎の動きは「脱力させて下に落とす」イメージの動かし方です。
口を閉じてガムを噛む動きをすれば、下顎は自然な動きになり、 脱力したまま口が開きます。
また、顎の力を抜いて口を半開きにすると、顎を落とすように開ける感覚が掴めます。
顎全体を脱力させ、重力に従って垂直に落とすイメージで、口を開けてみましょう。
そして、上顎の使い方にも気を付けましょう。
下顎を使いすぎると、歌っているとき舌が硬くなり、早口を必要とする歌詞が歌いにくくなります。
滑舌が悪い・早口が歌えない人は、下顎中心になっているケースが多いです。
鏡を見ながら、正面を見ている状態をキープしてみましょう。そして、その状態を保ちながら歌ってみてください。
おすすめは、赤ちゃんをあやすように「いないいないばあ」をやってみること。
「いないいないばあ」の「ばあ」のときは、上顎が上がりやすいです。
喉を開こうとし過ぎないように注意
喉の開けすぎも、力みの原因になります。
喉を開けようと意識すると、逆に喉を硬くしてしまうため、かえって声から響きが失われ苦しそうな歌い方になりがちです。
発音しづらかったり、高音域で力んでしまう場合は、喉を開きすぎているかもしれません。
喉や声帯の筋肉はコントロールがむずかしく、なかなか喉を開けなくて苦労する人が多いです。
対処法は、口の中や喉の中を開けること。
口をいつもより大きく開けると、口の中に力みを感じる部分が出てきます。
そこまで開けてしまうと、逆効果。声が固い音色になってしまうので、力まない範囲で開けること。
注意点としては、声帯が開きすぎていると息が漏れ、閉じすぎていると喉が締まってしまいます。
スペース保つ・スペースをほんの少し広げることを意識すると、ちょうどよく喉が開けます。
喉が開いているか確認する方法
歌っているときの口元を鏡で見て、喉の奥が見えているか確認してみましょう。
口蓋垂(こうすいがい / 別名・のどちんこ)が上がり、喉の奥まで見えれば、喉が開いている状態です。
反対に、舌が邪魔して喉の奥が見えにくいときは、喉が閉じています。
もしも口の開きが小さい・口を大きく開けても喉の奥が見えないときは、舌根が上がって喉を塞いでいるかもしれません。
喉の開きを実感しやすくなるコツは、上の前歯が4~6本ほど見えるように口を開くこと。上顎を開くことで、喉も開きやすくなります。
喉の開きがわかりやすい動作は、笑う・びっくりする・あくび・食べる。これらの動作を行うときは、自然と喉が広がっています。
おすすめは、寒いときに手を温めるように、手にハァーっと息を吐くこと。
喉を開いた状態がわかりやすく、手軽にできるのでおすすめです。
まとめ:喉の開き方を覚えてパフォーマンスを向上させよう
記事の内容をまとめると、以下のようになります。
- 喉を開くには、喉の空間をできるだけ大きく開く
- 舌の位置・顎の使い方にも気をつける
- 口内に力みを感じる部分があるときは、喉を開きすぎ
喉を開いた声と喉声は全くの別物です。
喉を開いて歌うと、高音を楽に出せるようになったり、喉への負担を抑えたりできます。
一方、喉を開くことを意識し過ぎて、体が硬くなると不安定な音になってしまいます。
喉の開き方を覚えて、歌や会話など声のパフォーマンスを向上させましょう。
アイドルになりたい場合は、ダンスをしながら歌う必要があります。ダンスも歌も習得したい場合は、養成所を利用するのが近道です。